男性の育児休業取得について、最近ではよく話題にあがるかと思います。
実際に弊社でも男性従業員が育児休業を取得したという経緯もあり、今回は出生時育児休業の概要について詳しく解説させていただければと思います。
産後パパ育休とは、男性従業員が子の出生日から8週間までに育児休業を取得することができる新たな制度です。
通常の育児休業とは別に、より男性の育児参加需要が高い期間を対象としたものです。
産後パパ育休の特徴として次の3つがあげられます。
産後パパ育休の取得は、子の出生日から8週間までに最長4週間(28日)まで取得が可能です。
また必要に応じて2回に分けて取得することもできます。
改正後は通常の育児休業を含めて、子が1歳になるまでに最大4回まで分割取得することができます。
所定労働日や所定労働時間に制限はあるものの、休業中の就業が認められている点も産後パパ育休の大きな特徴といえるでしょう。
従来の「パパ育休」は廃止されますが、両親ともに育児休業を取得する場合に、要件を満たすことで休業期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」は継続されます。
産後パパ育休のメリットは、家事や育児をはじめ家族の身体的サポートが必要な時に、男性が柔軟に育児休業を取得できることではないでしょうか。
男性の家事・育児参加を促すことで、女性のスムーズな服飾や就業機会の拡大にもつながると期待されています。
2022年10月施行の改正における最大のポイントは「育児休業の分割取得が可能」となった部分ではないでしょうか。
新たに創設された産後パパ育休は、初回の申請時に希望することで、2回までの分割取得が可能です。改正後は通常の育児休業でも分割取得が認められるようになり、男性は最大4回にわけて育児休業の取得ができるようになりました。
また、保育園に入所できないなどを理由とする1歳以降の育児休業延長において、従来は1歳または1歳半の時点に限定されていた育児休業の開始日が、改正後には自由に選択することができるようにもなりました。
開始時点が柔軟になり、夫婦で育児休業を途中交代できるようになったため、家庭の状況に合わせたさまざまな事柄に対しての対応が可能となるのではないでしょうか。
今回の改正で新たに導入されたのが、産後パパ育休中に支給される「出生時育児休業給付金」です。
通常の育児休業時に支給される育児休業給付金と共通する部分が多いとはいえ、それぞれの違いを理解する必要があります。
こちらは条件付きでの就業が可能ですが、出生時育児休業給付金は支給要件として「就労日数の上限を最大10日」と定められています。
注意すべき点としては、通常の育児休業給付金は原則として2か月に1度の請求をしていくのに対し、出生時育児休業給付金は「まとめて請求」する必要があります。
また休業中の就労に関しても、通常の育児休業給付金は1か月のうち10日以下の就業であることが上限ですが、出生時育児休業給付金については最大28日間休業する場合の就業上限は10日となります。
28日に満たない場合は休業期間に比例して上限が変動します。
産後パパ育休の後に育児休業を取得する場合には、続けて育児休業給付金を受け取ることができます。
こちらの支給額は休業開始から180日までが賃金日額の67%ですが、出生時育児休業給付金を受給した日数はこの180日に通算されます。
産後パパ育休の施行により、企業には育児休業を取得させやすい環境づくりがより一層求められることとなります。
制度が柔軟になったことで今後は従業員からの要望も多様化してくこととなります。
まずは制度の内容を十分に理解し、場合によっては就業規則の改正も必要となってくるでしょう。
研修の実施や相談窓口の設置をはじめ、配偶者の妊娠や出産を申し出た従業員に対する個別の周知も大切です。育児休業制度や給付金についても説明が必要となってくることもあります。
こういった個別に対応していくことで制度の利用を促せるだけでなく、会社内の分業体制を事前に整えられるきっかけにもなるのではないでしょうか。
育児休業の取得期間にとって、マネジメントにおける配慮も異なるため様々な工夫が必要となってくるでしょう。
企業は多様化する要望に柔軟に対応できるための姿勢も求められてきます。
2022年4月から段階的に施行されている育児・介護休業法の改正の中でも、男性の育児休業取得を推進する「産後パパ育休」についてご理解いただけましたでしょうか。
育児休業の分割取得が可能となり、従来の育児休業制度と比べてより取得しやすい環境になったのではないでしょうか。
企業として従業員が育児休業を取得しやすい環境を整えるとともに、一人ひとりの制度利用状況を管理したマネジメントも今後は重要になってくるでしょう。
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